本気丼ニュース

【鮨岡編】五周年を迎えて本気丼の備忘録

2019.10.21

【鮨岡編】五周年を迎えて本気丼の備忘録

「うちなんかはさ、賑やかな六日町の市街地からも離れてるし、国道からも少し引っ込んでるところだから、値段をめいいっぱい下げてやらないとお客さんは来てくれないんだよ。まあ平均で1日15〜20食くらい出てくれれば御の字かな。」

と優しく微笑みながら、この地域で飲食店を続けていくことの厳しさを、五年前に教えてくれた鮨岡の岡本社長。

鮨岡 岡本社長

本気丼キャンペーンを始めるにあたり、プロモーションの「顔」となる飲食店を探していた五年前、鮨岡さんの海鮮丼は税込700円という今でも考えられない価格で商売をしていた。
それが今や、平日でも行列の絶えない魚沼エリアを代表する寿司屋のひとつとしてメディアにも頻繁に取り上げられ、ランチだけで120〜140食を売上げる人気店となっている。


「1引き2運3器量」

鮨岡さんのV字繁盛記を振り返る時、先日訪れた地域商工会主催の講演会を思い出す。
講演のなかで講演者が言っていた「1引き2運3器量」という言葉だ。

江戸時代に、将軍の側室として大奥に入るための教えとして用いられていたとされるこの言葉の意味は、

将軍の側室になるため、他と比して突出するための方法は器量だけではダメ、運だけでもダメ、この二つを用いて意図的に引き寄せるための仕掛けがなくてはならない。

というもので、現代の企画力、プロモーション術にも必要な考え方であるという。
器量、すなわちポテンシャルは充分ありながら、なかなか儲けや集客に結びつかず悪戦苦闘している地方の企業にも言えるキーワードだと言っていた。
その講演者は殿村美樹さん。
あの彦にゃんや今年の漢字を生み出したヒットメーカーでPRのスペシャリストである。

奇しくも五年前、朱鷺メッセで行われた新潟日報主催のみらい大学という企画の殿村美樹さんの講演を聞きに行ったことを思い出す。
南魚沼市の魅力を多くの方々にPRするためには何をどうすればいいのかわからず、藁をも掴む思いで講演を聞きに行った。

あの時、殿村さんが壇上から「私が新潟で仕事を引き受けるなら、日本一のコシヒカリ、魚沼をもっと全面に出して必ずヒットさせられる自信があります」と言い切っていた言葉を聞かなければ、こうやって五年目を迎えることも行列を見ることもなかったかもしれない。

そう思うと、超多忙の身でわざわざ大阪からあの殿村さんが南魚沼市の小さな会議室で講演されたことは、また何かのご縁に繋がるものかもしれないと自分勝手に感慨に浸っている。